20110523-00

  M/S処理って何だ??#2(M/Sの効果の理論)

    Posted in: マスタリング, ミキシング
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さて、前回はM/Sに分離した音を確認したので音自体の大体のイメージはつかめました。
今回は、どういった理屈でMidやSideに分解し、どうやってL/Rに戻すのか、私なりの解説をしてみようと思います。
これを理解すれば、いろいろと応用が利くと思います。

注:これから記載する事は、自分が理解した事を綴りますので、間違い等あれば指摘願います。

1.波の特性

初めに、Mid/Sideの前にそもそもの音の特性から理解してみることとします。
皆さんご承知のとおり、音は波によって伝わってきます。その波が鼓膜を揺らして、人は音として認識します。

図1

中心線をゼロ、上方向がプラス、下方向がマイナス、横方向が時間を表します。
上下の振れ具合が音の大きさを表します。よってプラス、マイナスの何れかに大きく振れたほうが音は大きくなります。

この波の特性ですが、上下反転させた波と元の波を合わせると値は全て0値になります。 つまり、音は消えます。

図2

例えば、+5の波に-5を加えると5-5で0になりますよね。
元の波を上下反転させることを『位相反転』といいます。
※1:反転前と反転後の音は同じに聞える。

早速ですが、実際に位相反転させた音を元の音に合わせることで音が消えるか実験してみます。

FL Studioの場合はStereoShaperを使います。
真ん中の2本のスライダーを下から1/4地点まで下げます。
こうすることで、位相を反転することができます。

図3

○適当な音源を用意し、トラックの1から音が流れるようにセットします。
○それと併せてトラック2へも音が流れるようにします。
○トラック2のエフェクトにStereoShaperを指し、真ん中の2本のスライダーを1/4地点までさげます。
○トラック2のスライダーを思いっきり一番下へセットし、音を流して、トラック2のスライダーを徐々に上げていきます。
するとトラック2のゲージはレベルの動きから出音を確認できますが、マスターでは、実際は音が小さくなって無音になります。

実験動画

これで、元の音に位相反転した波を合算すると音が消える波の特性は、確認できたものと思います。
ノイズリダクションとかはこの波の特性の応用ですね。

 


 

2.Mid/Sideへのエンコード及びデコード

(1)Midへのエンコード
Midとは単純にL+Rのモノラルです。
前回の記事で確認しましたが、「ハイハットを左側、キックを中央、スネアを右側」の音源からMidのみを取り出すと、全てが中央から聞こえるモノラルとなります。
これは簡単に理解できますね。

図4

注:計算を基にした図ではなく、おおよそのイメージ図であることに注意

※2:L+Rは、なぜキックが2倍にならないのか。
→これは私の推測ですが・・・・
・キックを、左いっぱいにパンを回すと左からの出力は100%、右は0%、和は100%
・キックを、右いっぱいにパンを回すと右からの出力は100%、左は0%、和は100%
このように左右の範囲で和が100%になります。
したがって中央値、いわゆるパンが0時の地点では左右それぞれの値が50%になり和が100%なる。
このことから、L+Rの場合、Lキック50%+Rキック50%でモノラルキック100%になると想像できます。

(2)Sideへのエンコード
SideとはL-Rで、中央の成分をカットしたものです。
ではなぜ、中央の音(キック)は消えるのでしょうか。
前回の実験ではキックは中央値に、すなわちLの中とRの中にそれぞれキックが入っていることになるので、L-R、つまりはRに入っているキックが、位相反転することによってマイナスとなり、Lのプラス分と相殺されるからです。
したがってSideには中央の音が消えた両サイドの成分だけが残るのです。
(キック-キック=ゼロ)

図5

注:計算を基にした図ではなく、おおよそのイメージ図であることに注意


(3)Mid/SideからL/Rへのデコード
MidにSideを加えると『L』に、MidからSideを差し引くと『R』に戻ります。
①MidにSideを加えることとは、つまりSideには-Rの成分(マイナススネア)が入っているので、Midの成分にあるスネアと相殺されてスネアが消えます。
すなわち、ハイハットとキックの成分だけになります。これは前回実験した『L』の音の要素ですよね。
②MidからSideを差し引くとSideの成分(プラスハイハット)がありますので、これが位相反転で、マイナスハイハットになります。Midにはプラスハイハットが入っているので、ハイハットが相殺されます。
すなわち、キックとスネアの成分だけが残りますので、これも前回実験した『R』の音の要素だけになります。

図6

注:計算を基にした図ではなく、おおよそのイメージ図であることに注意

イメージとしては上の図6のとおりですが、実際の計算式は以下のとおりとなります。

L=[Mid+Side]=[(L+R)+(L-R)]=[L+L+R-R]=2Lになるので、これを1/2して「2L」を「L」にします。
なので、公式は『L=(Mid+Side)/2』になります。

R=[Mid-Side]=[(L+R)-(L-R)]=[L-L+R+R]=2Rになるので、これを1/2して「2R」を「R」にします。
なので、公式は『R=(Mid-Side)/2』になります。

いままでの解説したことを図7の表にまとめてみました。

図7

以上の説明が自分が理解している範囲での解説です。
実際は違うぞと言うのがあれば、指摘していただけるとありがたいです。

さて、今まで解説してきたように、「L/R」を「M/S」にエンコードして、コンプやEQを掛けたあとに「L/R」にデコードする処理をM/S対応のエフェクター単体で行っているのです。

M/S対応のエフェクターを持っていないと、いろいろ面倒ですが、M/Sは可能です。次回は、FL StudioでM/S処理機能の無いエフェクターで、実際にM/S処理をする方法を解説していきたいと思います。【END】

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今後の記事作りの参考といたしますので評価をお願いします
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4 Responses to M/S処理って何だ??#2(M/Sの効果の理論)

  1. Ar より:
    とても分かりやすい
  2. Ar-7 より:
    いえいえ(^^)
  3. […] M/S処理って何だ??#2(M/Sの効果の理論) | Another Life […]

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